「活字離れ」離れ

「活字離れ」から距離を置きたいブログ。

【モモ】エンデが残した教訓をだれがなぞっているのか

ブログを始めます。いやあ、始め方がわからん。

 

ブログのタイトル通り、活字離れが過ぎるので何としても脱却したく、読書感想文をつらつら書いていきます。本を読んで考えたことを書くのであまり本の内容とは関係ないことを書くかもしれない。

 

 

いざ「活字離れ」離れ!と思ったことは過去にも一度あって、大学時代の頭の良い知人に影響を受け、いわゆる硬質な文章なんかをつまんでみたりした。いま再び活字離れしているということは、その時読書家になれなかったということであるが、それは決してそのとき読んだ本のせいではなく、読後に本の内容を全く覚えていない自分に呆れたからである。そこで今回こそブログという形で読後の所感を書くことで、読書を自分の血肉にしたいと考えたわけである。自分の言葉を長々と書くなんて初めての経験なので、文章もうまくなれば良いな、なんて。

 

 

ということで一発目、ミヒャエル・エンデの「モモ」を読みました。

大学時代に本好きの知人に勧められてずっと気になってはいながらも、なかなか手が出ていなかったのだけれど、児童書ということもありリハビリには良いかなと思い読んでみた(決して児童書をなめているわけではなく、文体とか易しいかなと)。勧めてくれた知人は結構な読書家(と勝手に思っている)なので、当時は「本当の読書家は良書とあれば児童書でも勧めてくるのやホンモノや」と知性のかけらも感じないことを思っていた。自分が知らなかっただけで「モモ」ってすごく有名なのね。名作です。

 

 

誰しも読んだことがあるのであろうが、きっと自分と同じように読んだ本の内容をすっかり忘れてしまう民族のために軽く「モモ」のあらすじ。

時間貯蓄銀行なる時間の泥棒たちが人々から時間を盗んでしまい、みんな時間を切り詰めて働いていてどこかイライラしている主人公である少女モモはみんなの時間を時間貯蓄銀行から取り戻し、みんなのもとに時間と心のゆとりが返ってきてめでたしめでたし…

 

 

一言でいうと「時間って大事だね」ってことで、多分ほとんどの人が「時間の貴重さに改めて気付かされました」みたいなことを言うと思う(自分もそう言う)。でもその本質って結構難しい気がして。というのも「時間は大事」=「時間を無駄にせず有効に使いましょう」となりがちで、ともするとこの解釈は結局作中の時間貯蓄銀行や彼らに煽られた大人と同様に「時間を切り詰めてしまう」ことに繋がるんじゃないかと思ってしまった。それともそんなことはまったくの杞憂でみんな時間を「豊かに」使えているのだろうか(誰に聞いているんだ)。

「時間は大事」。で、その大事な時間を何に使うのかってことだと思うのだけれど、あまり「大事」ってことにこだわりすぎると結局「大事だから節約」という方向に傾いて時間を豊かに使えなくなるのでは、なんて。現実でいう時間貯蓄銀行は多分他人ではなくて自分自身、もっと言うともっと時間を上手に使うべきという強迫観念にも思える思想に囚われている周囲の人から客観的に見た自分自身なのかな、なんて。

とはいえ効率化は悪だ!時間を無為にするのが正しい時間の使い方だ!なんてボケを声高々に叫びたいわけでもなく。つまるところ、時間を何に使おうが正解はなくて(他人からあれこれ言われることはあるだろうけれど)、自分の時間の使い方に自分でウンザリしなければ良いのかなと思っている。

 

 

ちなみに自分はあまり「時間を上手に使わなければ」と思うほうではなくて。というのも以前読んだ漫画の「それでも町は廻っている」でのある会話が影響していて、主人公の「カードゲームにお金を使うのは(いつか飽きた時に)もったいない気がする」という言葉に対し、近所のお姉さんが返す「そのカードゲームがきっかけで知り合った友人と何十年も付き合うかもしれない」という一言にハッとさせられたのである。

そうなのだ。時間の無駄などないのだ。そう感じてしまう自分がいるだけなのだ。

今書いているブログだって誰にも読まれず電子のゴミとなるかもしれないが、このゴミを生んだ経験がいつか話のタネになり、金の卵となるかもしれないのだ(という言い訳を盾にして時間を無駄にしていることを否定はしない)。

 

 

なんて言いつつも、回り道よりも近道のほうがいいし、行列はないほうが好ましいし、何事も効率よく済ませたいと思う自分もいる。「時間は重要」という言葉に踊らされず、モモのように生きたい。

 

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